2008年09月30日


「私を離さないで」カズオ イシグロ■なんとも静かで温かみのある小説であった。というと誤解されそうなほど、テーマは重く、哀しいものでもあるのだけど。こういうテーマであれば、いくらでもドラマチックに、大袈裟にできるものだけど、そこを敢えてそうせず、ひとりの女性の静かな語り口で丁寧に、綴られていく。なんの話だかバラすとちょっと面白くなくなるので、このへんで。関連で、「日の名残り」はお気に入り映画10本の指に入ります。

「タイム屋文庫」朝倉かすみ■読了後、気持ち悪くなった。それは私の体調のせいなんだが。それにしても、前作の「田村はまだか」や「ほかに誰がいる」が面白かったので、期待外れだった。なんか、浮ついてた。人生のやり直しに、貸本屋兼喫茶店を開くという設定が。

舞台
「裁判員の評決」at TACCS1179■娘を母と妹&甥っ子たちに預け、配偶者とふたりで観に行った。こんなん久々だ。ママ友のだんなさん出演のお芝居。そんなわけでお世辞でも「おもしろかった」と言わなければいけないけど、そんな気を遣う必要はなかった。間もなく始まる裁判員制度について考えさせられる、社会派な芝居で、とても面白かった。ある事件についての裁判の判決を観客がくだすという観客参加型、というのも意味があった。お誘い、ありがとー(と、ここで言わずとも毎朝、15分ほどですが、一緒に通勤しているママ友だちである)。

(22:01)

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